ご主人は、田無にお店を開く前は荻窪に本店のある石臼粗挽きそばの名店「本むら庵」で修行をされていたとのお話でした。 せいろで出されるそばは、そば粉8に小麦粉2の割合で打つ、いわゆる二八そばになります。箸でつかんだ感触から、コシの強さが伺えます。つゆに半分ほどつけて一気にすすると、そばの切り口の角がはっきりわかるほど、しっかりとしたコシがあります。 コシが強いといっても、たまにあるような噛み切ると茹できれずに芯が残ってしまっているようなボソボソした食感ではなく、プリプリした食感が飲み込むまで続きます。 そばの味わいもつゆに負けることなく、一噛みごとに香りがたち、最後までそばの香りを保ったままお腹に入っていきます。つゆは少し辛めですが、そばをつけて食べるのには丁度よい加減になっています。 進士では、せいろの薬味に生わさびと長ネギ、大根おろしがついてきます。薬味の使い方は人それぞれで、全部いっぺんに入れる人もいれば、少しずつ追加していく人もいる、とのお話でした。 もう一方のメインである天丼は、カラっと揚がった海老や茄子に南瓜、アスパラといった天ぷらにつゆがしっかり染み込んだものが乗り、丼をもった手ごたえもずっしり。天ぷらと下のご飯とが合わさることで、一口ごとに元気が出るような力強い味わいになっています。このほか、箸休めに自家製のお漬物とたまご焼きが小皿で付き、全体でかなりのボリュームになります。 ひと通り食べ終わった頃を見計らって、お店の人がそば湯を持ってきてくれました。何気なくいただき、そば猪口に注いだとき、おおっと思いました。 進士のそば湯は、とろりと濃く、注がれた中を見ると、そばの実の粒が見え、甘酒のような風情を漂わせています。 そば猪口をもうひとつお借りして、何も味を足さないそば湯をそのままいただいてみると、ほのかに甘く、飲んだ後にそば独特の香りが喉から鼻に抜けていきます。 このそば湯は、そばを茹でたものとは別仕立てで作っているそうで、その濃厚さはポタージュに例えられることもあります。 もちろん、余ったつゆや薬味を加えても美味しくいただけるので、これからの寒い時期などには、お腹の中から温まります。 このほか、そばの前にちょっと一杯という方のために、お酒も日本酒を定番のもの三種と季節の日本酒、ビールはエビスビールが用意されていますので、そちらで一杯やってから、おそばをすする、ということも楽しめます。 |