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ここで注文したのは、うな重の上。待っている間に、割いたうなぎを焼いたり蒸したりする板場も取材ができました。さ和野は活きたうなぎを割く(さく)割き場が隣接しているので、さばいたうなぎをすぐここで調理することができます。
さ和野で出すうなぎは、毎日信頼のおける長い付き合いの業者が仕入れてきたうなぎを当日出る分だけ割いて、出していきます。その日その日のお客さんの流れをみて割いていくので、職人さんは一日中割き場から手が離せないそうです。
板場の中でも特に目をひいたのは、中華街でも見かけるような大きな蒸篭(蒸し器)と、その横に並んでいる自家製のタレが入っているカメです。
捌いたうなぎは白焼き(何もつけないで素焼きにされた状態)にされてから、この大きな蒸篭でうなぎの余分な油を落とすために蒸しあげられていきます。白焼きのまま食べたい、という方もメニューにそろっていますのでご心配なく。
蒸されたうなぎは、すぐ横でタレをつけながら焼き上げられていきます。うなぎとタレが合わさって焼けるうなぎ屋特有のあの香りがたち、食べる前から期待感が高まってきます。
タレにつけて焼き、またつけては焼き……と繰り返されること数回、きれいな照りが出てうなぎが焼き上げられました。お重に盛ったご飯にもタレをさっとまわし、その上にうなぎを乗せて仕上げをして完成です。
運ばれてくるうな重には、他に肝吸いと箸休めのお新香、それに小鉢と季節の果物が添えられています。これは、お店に来てくれたお客さんをもてなそうということから始めたそうです。
この日はマグロの切り身と、食べやすいよう包丁の入れられたオレンジが付いてきました。中身はその日の仕込などで変わるので、運ばれてきてのお楽しみになります。
早速、お重のふたをあけて卓上に用意されている山椒をぱらぱらと振りかけて、うなぎに箸を入れると、うなぎの表面で一瞬軽い抵抗があり、身の部分をスッと抜け、皮のところで弾力を感じながらも、難なく箸で切れます。ご飯と一緒に口に運ぶと、パリッと焼き上げられた身の部分と、その中のふわっとしていながらジューシーな食感、さらに皮の部分の弾力感とが一口ごとに感じられました。
噛みしめると、食感を残しながらも文字通り口の中でうなぎがとろけて、くどさの無いうなぎの脂の甘みと少し焦げ目が付いて香ばしさが出た身の旨み、そこにお米の甘みと主張しすぎないけれど存在感のしっかりした塩辛さのタレ、薬味の山椒が口内で渾然一体となり、のみこんだ後も喉から鼻にすっと香りが抜けていきます。 |